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NHK夜ドラ『恋せぬふたり』にみる女性の自立とたくましさ

ーわたしの人生に何か言っていいのは私だけ。私の幸せを決めるのは私だけ。

最終回でのヒロイン・兒玉咲子(演:岸井ゆきの)のラストのセリフだ。

このセリフを聞いてあるドラマを思い出した。2013年TBS系で放送されたテレビドラマ『空飛ぶ広報室』。このドラマのヒロイン・稲葉リカ(演:新垣結衣)が、自分のことを思って結婚を切り出せない自衛官の彼・空井(演:綾野剛)に向かって放つこの言葉。

ー私の幸せは、私が決めます。

状況もとても似ている。『恋せぬふたり』は咲子のパートナー(ドラマでは家族(仮))である高橋羽(演:高橋一生)が本当にやりたい仕事があるのに、それを咲子との良い関係を維持するために諦めてようとしている。『空飛ぶ広報室』は震災によって離れ離れになってしまい、心は繋がっているのにお互いの仕事を考えて一緒にはいられない選択をしそうになる。二人にとってベストな選択をすると離れ離れになってしまうことがわかりきっている状況だ。

そんな転機となる場面で、自分の意志で自分の人生を決める。さらに相手の背中をグッと押す。その強さと、そう言い切れるくらい仕事でも認められていて、自立した女性であることに、同じ女性としてとにかく羨ましかったのだ。二人が出した答えにより、別々に暮らすことになるのだが、関係性は変わらないし、「両方取り」「空は繋がっています」と言ってしまう清々しさがあるという点も似ているのだ。

15年以上前、私は結婚により仕事を辞めて、大学の同級生である夫の勤務地へ引っ越した。仕事における実績も、給与面でも私にアドバンテージはなく、いわゆる夫に「ついて行く」婚だ。念のため言っておくが、私は今の生活が幸せだ。

さて、2013年の『空飛ぶ広報室』から2022年の『恋せぬふたり』へ10年弱を経て、ドラマのセリフからますます女性は自立し、たくましくなっているなと感じる。咲子の「仕事も楽しいし、自分のことをわかってくれる存在もいて、落ち着ける家もあって、今の状況がベストなんです。だからこの状況を変えたくはない」と言い切れるカッコ良さよ。「ダメだったらまた二人で考えればいいんですよ」と言えるタフさよ。

この咲子との出会いによって、「人生時には諦めも肝心だ」が座右の銘の高橋さんが、ほんの少しだけ諦めの中から飛び出してみたように、私だってベストを目指してもいいんじゃないか、そう思わせてくれた。