ban623のレコメンドラマーwatching doramas colors your lifeー

朝ドラ『舞いあがれ!』レコメンドを更新中。

エルピス【クソみたいな現実とちょっとの希望】

ほどよくリアルで、たまにナイフのような切れ味でセリフを出してくるドラマが好きだと私はブログで公言している。

しかしだ。『エルピス』はナイフどころではない。回を増すごとにボディーブローをくらわせてくる。大人のずるさ、社会のずるさの描き方がリアルでエグい、エグすぎる。「ほんっとクソだな」と思うけど、これがきっと現実なのだから何も言えない。

なのに離脱するところまでいかないのは、いつの間にか長澤まさみさんに取って代わって主人公になっている眞栄田郷敦さん演じる岸本くんがこのずるい大人に染まらず、真っ直ぐなままで青いままで事件を追ってくれているからだ。

その岸本くんがついに8話でスクープを揉み消され、会社も解雇になって、いよいよ気持ちが折れたかと思った瞬間、武田信玄(2時間ドラマ撮影中)に応援してるって声をかけられてちょっと救われちゃう。なんだこの展開、エルピスのサブタイトルにもなっている「希望、あるいは災い」そのものじゃん。

そして、ドラマの参考資料としてあがっている事件が、ドラマそのものすぎるてヒリヒリする。登場する大物政治家が某大物政治家そのものすぎて、こんなにわかりやすくやっちゃって大丈夫なの!?と心配になるくらいに。しかも、被告人はすでに死刑執行され、現在2回目の再審請求中…ってこれ、ノンフィクションなん?

本ドラマのプロデューサーさんがこの企画に6年を要したって、そりゃなかなかGOサインは出なかったでしょうね。でもここまでリアルにこだわっている心意気がすごいし、応援したくなる。

最終章に突入し、私たちはどんなクソみたいな現実とそしてちょっとの希望を見せられるのか、楽しみだ。