ーひなたの明るさが…ひなたが放つ光が俺には眩しすぎるんだ。
歩いても歩いても暗闇しか見えない状態の五十嵐。ここはジョーパイセン、虚無蔵パイセンしか五十嵐を救えないだろうな。キョムさんは大部屋俳優としての40年をどう思っているのだろう。若いときは五十嵐のように辞めようと悩んだり、妬んで荒れたりがあったかもしれない。それでも続けているモチベーションは一体何なんだろう。
そして、今日のひそかな主役はジョーだ。あかにしでCDラジカセを見つめるジョー。
ー大月さんはCDなんて聴くわけあらへんやろ。
おぃ!吉右衛門!この方をどなたと心得る。先の関西トランペッターコンテスト優勝者であり、レコードデビュー目前までいった大月錠一郎であるぞ。今の何とも言えない絶妙な苦笑い、見てなかったのか!?
今まで気づかなかったが、大月家には音楽を聴くものがない。(ラジオは別として)ひなたや桃ちゃんが中高生くらいになれば欲しいと言いそうなものなのに。私はジョーがラジカセを見つめた時、やっと音楽を聴きたいと思えるようになってる??とちょっと興奮した。
そして、ひなたが泣いて帰ってきた日。何か知ってるの?とるいに聞かれて、また絶妙な苦笑い。ジョーはすべてをお見通しなのですね。